【業界者講演会】イラストレーターのNoritake氏を招いて講演会を実施しました
平成28年10月1日(土)、デザイン系の学生向けに講演会を実施しました。講師として、数々の著名な広告や書籍のイラスト、プロダクト制作、アーティストとしての個展開催など幅広い表現活動を行い、日本のみにとどまらず海外でも精力的にご活躍されているNoritake様にお越しいただきました。クリエイターの視点から、リアルな現場のお話や、ものづくりに対する考え方、モチベーションに関して、学生時代のお話や具体的な実例等も交えながらご講演いただきました。
Noritakeさんの学生時代、上京初期について
まずは、Noritakeさんの学生時代についてお話しいただきました。陸上や音楽など様々なことに活発に取り組んでいた神戸での学生時代、その後、セツ・モードセミナーに入学するために上京し、ひたすらに絵に没頭した専門学校時代、ユレヒトのスタッフとして働いている時にチャンスが舞い込んできたお話などをうかがいました。今現在の幅広いジャンルでのご活躍の背景を裏付けるようなお話を聞くことで、学生時代に多くの体験に触れることの大切さを感じることができました。
業界について
次に、専門学校卒業後から今に至るまでの経緯や、プロとアマチュアの違い、業界の実情としてクリエイティブ業界でイラストレーターとして働くことについて話されました。クリエイターらしく概念図をつかって分かりやすく説明して頂きました。
今の自分があるのは過去の挫折や出版社・書店での経験が活かされてこそであり、そのような状況の中でも、自分のスタイルを続け、「こうあるべきという姿勢を見せる」ことで自然と多くの人に作品を見てもらえるようになっていったという経験談の中に、Noritakeさんの芯の部分を垣間見ることができ、非常に貴重な機会となりました。
また、業界で仕事をするためには、他の職種への理解やそれらを掌握するような感覚を持ち合わせる必要があること、クライアントから受注した段階で求められているところよりも更に良いものが作れるように積極的に提案するものづくりの姿勢が重要であることなどを教わりました。ロジカルで建設的な考え方に確かな説得力を感じると同時に、業界の第一線で活躍することができる理由が、その考え方から伝わってきました。
ものづくりについて
さいごに、Noritakeさんが制作されてきた過去の案件の具体的な事例をもとに、お仕事の進め方について、ものづくりにおいて大切にされていることについてお話をいただきました。
数多くの案件をこなし、中には「いい例」もあれば「わるい例」もあるが、その全てを自分の経験として受け止めつつ、クリエイターとして常に相手の求めてくる以上ものを作ることが大切であり、そういった先の先を見据えることの大切さをご教授いただきました。
今回の講演を通して、一クリエイター・アーティストとしての生き方、独特な個性の裏側を支える堅実な努力の姿勢や仕事に対する建設的なものの考え方などを、講演内容全体の雰囲気や講演者の言葉の端々から感じ取ることができました。今後、学生のみなさんが自身のキャリアを考える際や行き詰まった際に、それぞれの打開策を見つけるための手がかりとなることを期待したいと思います。
予定時間を超えて、多くの貴重なお話を頂戴することができ、濃厚で大変有意義な時間となりました。
非常にお忙しい中にも関わらずご登壇いただき、本当にありがとうございました。
■講演者プロフィール
Noritake氏
イラストレーター。モノクロドローイングを軸に広告、書籍、雑誌、ファッション、壁画など国内外で活動。デザインやディレクション、作家活動もおこない、その活動は多岐にわたる。イラストをもちいたノートなどのプロダクト制作も精力的におこなう。
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