ODCCによる人材育成セミナー「タナカカツキ氏 特別講演会」を開催しました
ODCC(大阪デジタルコンテンツ創出協議会)では、人材育成部会による人材育成セミナーとして、クリエイティブ業界の第一線で活躍するクリエイターや監督などを招聘し、クリエイターを目指す学生に向けた講演を年に数回開催しています。
今回は、「コップのフチ子」など奇抜なアイデアからヒット商品を生み出すマンガ家のタナカカツキ氏をお招きし、本校にてODCC会員限定の特別講演会を開催しました。
当日は、クリエイティブ業界を目指すOIC生をはじめ、ODCC人材育成部会会員学校の学生及びODCC企業会員の皆様など総勢70名が集まり、会場の9Fアクティブラーニングホールは熱気に包まれました。
「アイデアをかたちにするということ」をテーマに、マンガ家としてだけでなく幅広いジャンルでの活動体験や日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使になったいきさつなど、様々なエピソードを交えながら参加者を魅了していました。30年間のクリエイター経験から、「アイデアをかたちにする」習得方法や、クリエイターを目指す上でのポイントなど、貴重なお話しをして頂きました。
“タナカカツキ”氏
まずは、タナカ氏の30年間の軌跡をご紹介頂きました。マンガ家デビューをしてからずっと絵を描いてきたが、初めてコンピュータグラフィックスを経験した時に、「人間の想像を超える面白さ」を感じられたそうです。そこから、人と自然の共作は面白いのでは?と、水景画という“生きた絵画"にハマり、どんどん水そのものの理解が深まると、いつの間にか日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使になってしまったという、面白い半生に参加者は魅了され、タナカ氏への興味が会場全体を包み込んでいました。
コンピュータに出来ない“人間らしい”仕事
また、タナカ氏自身が幅広くクリエイティブ業をを手掛けられている中で、いかに“アイデアを出すこと"が重要かというお話もされました。例えば『コップのフチ子さん』のように、アイデアを買ってもらうことによって商品が世に出ることから、いかにコンピュータが進化しようが、「アイデア無しでは仕事が出来ない」「クリエイターはアイデアを出すことから逃れられない」という言葉は、学生たちに突き刺さる激励のメッセージでした。
アイデアは、“習得”するもの
講演の後半は、アイデアの原理と習得についてお話し下さいました。そもそも、アイデアとは類似の組み合わせだと。例えば、傘一つとっても加工(サイズ・立場・別の使い道など)することによって色々なバリエーションが出来ます。その組み合わせに“気付く"かどうか。そのために、アイデアを分解する癖を習慣化することで、習得出来るというお話でした。
タナカ氏のテンポ良い話し方と、止めどなく溢れるアイデアの数々に、学生たちも「これなら自分もやれる!」と熱心にメモをとり聞き入っていました。
人は四六時中思っていることのプロになる
講演の最後は、学生たちがこれからやるべき事をお話し下さいました。“未来のイメージ"を具体的に持つこと、と。例えば、ピックアップ能力のように「何かに焦点を絞ると、なぜかよく見える」ことがあります。それと同じで、自分の中でもまずは一つ『これをやろう』と焦点を絞ること。そうすれば、あとは逆算して日々やるべき事を毎日20分でいいので細かく少なく続けていく。その過程で、初めは面白くなかったり、向いていないと思ってしまうかもしれないが、クリエイティブな事は時間がかかるモノなので、“楽天的に淡々と"。なぜなら、『“人が楽しく生んでいるモノ"が、クリエイティブだから』という一言はとても印象的でした。
また、自分自身の身体がモノを作る母体なのだから、『身体に気を遣うこと』も大事だともおっしゃられました。30年間クリエイティブ業界で様々なことに挑戦し続けるタナカ氏だからこそのメッセージでした。
講演終了後は、鳴り止まない拍手と、「さぁやってやろう!」と意欲に満ち溢れた目をした学生たちの姿がありました。
参加者からの声…
今回の講演のおかげで、迷いが消えて自分のやりたい事を信じて突き進めそうです。
今回の講演が、自分の人生に多大な影響を与えたことは間違いない。
講演の中身だけじゃなく、話し方・進め方・声のトーン・タイミング・間が絶妙で参考になりました。
参加した学生たちにとって、クリエイティブ業界にチャレンジする気持ちと決意を新たにする機会となり、非常に貴重で有意義な機会になったと思います。
タナカカツキ氏にこの場をお借りして、改めてお礼申し上げたいと思います。本当に有り難うございました。